東海道をお会式の万灯行列が通っていきます。
毎年、10月13日 池上本門寺で行われる日蓮聖人法要の物です。

万灯練供養

万灯(まんどう)は、日蓮聖人が亡くなられた時、庭先の桜(お会式桜)が時ならぬ華を咲かせたという故事から、紙で作った造花でお会式桜を模し、灯明輝く宝塔を飾って作られています。池上本門寺では、例年、全国から集まった講中の方々により、百数十基の万灯が深夜まで池上の地を練り歩き、報恩の誠を捧げています。
 その万灯を先導するのは、江戸の火消し衆が始めたと言われる纏(まとい)。当時、纏を振り、団扇太鼓を叩きながら「一貫三百、どうでもいい」とかけ声を掛けてお参りをしていたと伝わっています。池上本門寺のお会式に参拝するためなら、一日の手間賃である一貫三百なぞ惜しくないという江戸職人の心意気を窺わせます。その想いは現代まで脈々と引き継がれ、纏が賑やかに舞い、団扇太鼓と鉦と笛の軽快な音色と共に万灯は進んでゆきます。